東ティモールってどんな国?

 12月3日、東ティモールから3人のゲストを招いて「東ティモールってどんな国?〜独立から現在、未来を語る〜」と題したシンポジウムを開きました。
 東ティモールは今年独立10周年。そして第二次世界大戦下で日本が事実上占領して70周年という節目の年です。歴史的にも日本とつながりのある東ティモールですが、東ティモールのことはなかなか知らないですよね。
 シンポジウムでは、独立運動時代から人権擁護の運動にかかわってきたヌグロホ・カンチャスンカナさんをはじめ、ジェンダーの問題に取り組んでいるラウラ・アブランテスさん、インドネシア社会史研究家のヒルマール・ファリッドさんの3人が東ティモールの概要や現在の問題点などを分かりやすく話してくださいました。会場からも教育やジェンダー、宗教面など突っ込んだ質問が出され、1時間半の予定を少し延長するなど、時間のたつのがあっという間でした。

 JIPPOは設立以来ずっと東ティモールのコーヒーのフェアトレードで微力ながら支援してきました。東ティモールは国民の9割が農民で、コーヒーに生計を依存している人びとが大勢います。でも国の財政としては、2006年からオーストラリアとの間にあるチモール海で石油の産出が始まり、9割以上が石油関連の収入に頼るようになったそうです。
 シンポジウムでは「独立のときは敵は1つだったけれど、独立してからは社会や経済や文化などいくつも戦う相手ができてしまった」という表現が何度か聞かれました。私たち日本人も、東ティモールの人びと協力、連帯して、問題を一緒に解決していきたいと思いました。