インド仏教の最新動向

 この夏休みに、インド仏教界のリーダーたちに会って来ました。戒律や修行よりも、社会貢献を重視する指導者が増えている、という印象を持ちました。厳格な上座部の僧侶の中にも、衣を脱ぎ剃髪を止める人もいます。なかには、結婚する人も出てきました。
 僧衣を捨てても、結婚しても、かつてのように信徒の支持を失うことはなくなりました。仏教徒が最も多く住むナーグプルのローカミットラ師のように、結婚後それまで以上に多くの支持者を集めている事例もあります。同師は、「家族や地域社会の協力を得て、一段と開教の成果を上げることが出来るようになりました。非僧非俗の立場から、インド仏教の復興に努めます」と語ってくれました。
 貧困、災害、紛争、環境破壊などにより恵まれない暮らしを強いられている人びとに寄り添い、社会貢献の活動をするには、浄土真宗本願寺派の基本的な立場が、きわめて有意義であると感じました。中村ひさし